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お役立ちコラム

派遣外国人の受け入れに注意すべきなのはなぜか?

在留資格「技術・人文知識・国際業務」を持った派遣外国人社員の活用はこの北陸でも広がっています。
外国人社員は派遣元と契約を結んでおり、出入国在留管理局への申請も派遣元が行いますので、派遣先企業としては直接雇用よりも少ない負担感で外国人社員を受け入れることができます。

しかし前回お伝えしたように派遣先での業務内容が在留資格で認められている活動かどうかについて特に慎重に見極めたうえで受け入れる必要があります。
というのも、仮に派遣先での業務内容が技能実習生と同じ業務であったり、実務経験年数が少ない高卒日本人社員と同じ業務である場合、以下のようなリスクがあるためです。

1.派遣先企業も不法就労助長罪や資格外活動ほう助罪として摘発される場合がある

2.仮に派遣先企業が逮捕や起訴を免れても報道等で企業名が公表される場合がある

3.1の違反が成立した場合、既存の外国人社員の受け入れがストップする

1については入管法上の「不法就労活動させた者」が派遣元になるのか派遣先になるのかがポイントになります。
判例は「させた者」については広い範囲で解釈しており、実際に派遣先の社長や人事担当者が逮捕されている事例もあります。

2については、様々な理由がありますが報道する側からすると外国人が実際に就労していた企業(派遣先)について述べた記事・ニュースのほうが具体的で説得力のある内容となりますので派遣先の企業名が出てしまう傾向があるようです。
また派遣先が大きい企業であればあるほど企業名が新聞等の報道で出ることが多いというのも実感です。
根本的には派遣元の責任であるとはいえこのような形で報道に出てしまうと本業にも大きな影響が出る可能性があります。
(実際にグローバル企業のサプライチェーンの一端を担っていたとある企業が取引を打ち切られたという例も出ています。)

3については、仮に不法就労助長罪や資格外活動ほう助罪が成立した場合、既存の技能実習生の実習計画の取り消し(つまり全員退職)と5年間の受け入れ停止、特定技能外国についても同じく更新不許可、5年間の受け入れ停止などが法律で規定されています。
実習生への依存度が大きい企業の場合、経営そのもの左右しかねない事態になることがお分かりいただけるかと思います。
当コラムの読者に監理団体の方がおられる場合はこの点特に注意していただければと思います。
傘下の組合員(実習生受け入れ企業)がどのような派遣外国人を受け入れているかによっては監理団体による臨時監査などが必要になる場合もあります。

このように見てみると派遣先企業の担当者も受け入れる派遣外国人がどのような在留資格で、その在留資格でどのような業務が可能なのかをしっかりと把握しておくことが大切であるといえます。
自社の場合どの在留資格だとどの業務が可能という範囲を事前に理解しておくなら派遣外国人受入れのたびに確認するという手間が減るかもしれません。
また、派遣元との契約の中でこれらの点をしっかりと表明してもらうようにしておくことも大切です。

次回のコラムではどんな業務が「技術・人文知識・国際業務」という在留資格で認められているのか、についてお伝えします。

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