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お役立ちコラム

派遣外国人を受け入れる際の注意点 

在留資格「技術・人文知識・国際業務」についてお話ししようと思っていたタイミングで5月20日の朝日新聞に「石川県金沢市の外国人専門の派遣会社が入国審査に偽造書類を提出し来日させていた」という記事が掲載されました。

報道の概要は、「外国人が日本で働く際に必要な在留資格を得やすくするよう虚偽の雇用契約書を作成し出入国在留管理局に提出(申請)していた。雇用契約書の本人の署名や派遣先に関する記載が虚偽の可能性がある」というものです。

当事務所の所在地である金沢の会社が当事者ということもあり、県内の派遣会社、監理団体、報道機関、派遣外国人を受け入れている企業などから多数お問い合わせいただきました。
実はこのような偽装派遣に巻き込まれた企業からのご相談・ご依頼はコンスタントにお受けしています。
当事務所の顧問先企業にも類似の派遣会社の営業が来ることもあります。
そこで今日からの数回シリーズで、派遣外国人を受け入れている企業の視点で何をどのように気を付けるべきなのか、この報道から学べるポイントをお伝えします。

まずこの報道で問題になっているのは「技術・人文知識・国際業務」(以下「技人国」と省略します)という在留資格です。
また「雇用契約書の本人の署名や派遣先に関する記載が虚偽の可能性があり、“本人用”と“入管提出用”の2種類の契約書を作成していた」とも書かれています。
では派遣会社はこの在留資格の許可を取得するためにそもそもなぜこのように2種類の雇用契約書を作成する必要があったのでしょうか。

一般的に派遣会社が事実でない雇用契約書を作成してしまう理由は主に以下の2点です。
(今回のメルマガに出てくる派遣外国人はすべて技人国の許可を取る人材についての説明になります。)

1.雇用契約書に書かれた派遣先(許可が通りやすい大手企業が書かれていることもある)に派遣されない可能性が高いから

2.派遣先での業務内容は「技人国」では認められない業務なので(派遣元はそれが分かっているので)実際の業務内容が書かれた雇用契約書は入管に出せないから
(入管に出す雇用契約書には業務内容としてSE、設計、品質管理、商品企画など認められる業務が書かれている)

という理由です。
(この理由は当事務所へのご相談案件から分析したものであり、今回の報道に出ている派遣会社が同様の目的でこのような雇用契約書を作成していたかどうかについてはわかりません。)

ということで在留資格「技術・人文知識・国際業務」の派遣外国人を受け入れている企業の人事担当者、現場責任者にしていただきたいことは以下の2点の確認です。

1.自社(派遣先)での従事業務がこの在留資格で認められている活動なのかの確認

2.派遣会社(派遣元)による出入国在留管理局への申請内容の確認

いずれも派遣会社へ確認していただくことになりますが、派遣会社の回答が心許ない場合は、入管法に強い地元の弁護士や行政書士に相談することをお勧めいたします。
入管に問い合わせることもできますが、派遣先企業は外国人と直接契約関係にあるわけではないため、入管も個別具体的に回答するのは難しいかと思います。

派遣会社がその外国人と契約しているのだから派遣先はそこまでする必要がないのでは、という疑問を持たれるかもしれません。
次回のコラムでは、なぜ派遣先企業が派遣外国人に関してきっちりとした確認をすべきなのか、その理由をお伝えします。

今回も読みいただきありがとうございました。

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