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特定技能外国人の採用はホワイト企業の証明?~その1

 特定技能の申請のご依頼を受け実際に受け入れ企業とともに申請準備を進めてみて感じるのは、特定技能外国人を雇用する企業は近い将来ホワイト企業として一定程度認知されていくのではないかということです。というのも、特定技能は、
1.会社側が就業規則に沿った労務管理をかなり厳格に求められ
2.外国人社員が法令違反や差別的な扱いに声を上げやすい
という仕組みになっているためです。ホワイト企業の定義は様々ですが、ここでは、”法令違反がなく働きやすい職場”をホワイト企業と定義します。特定技能の制度はそのような比較的ホワイトな労働環境が維持されやすい仕組みになっています。

 まずは上記1の就業規則と特定技能制度の関連についてお話ししたいと思います。特定技能の入管審査では、労働条件等が就業規則と整合性がとれているかがかなり徹底的に審査されます。大企業の場合は、就業規則に沿った労務管理ができている場合が多いと思いますが、中小企業の場合(中でもサービス業などは)そうなっていない場合も少なくありません。そのため、場合によっては特定技能外国人の採用をきっかけに就業規則をより自社にマッチしたものに改定(変更)する必要が出てきます。また、就業規則はあるけどれ実態と違っている、、、という場合も改善を図る良い機会となります。特定技能外国人の採用により日本人社員の条件も改善されたという事例も出てきています。

 もちろん書面上だけ整えて実態は違うということも出てくるかもしれません。しかし、特定技能は様々な仕組みでそれができにくくなっています。その一つが特定技能外国人は ”転職可” であるという点です。これが上記2の声をあげやすい、と関係してきます。技能実習制度も申請書類上は法令違反がなく労働環境が整備されていることを示したうえで機構や入管から許可が出ているわけですが、実態は実習生雇用企業の7割が労働関係法令に違反しているという労働基準監督署による調査もあります。このような状況になる一つの理由として、実習生たちは事実上転職ができない(自主的に実習先の変更ができない)ため法令違反状態があっても声を上げにくいという事情があります。しかし、特定技能は転職ができます。そのため、自分にとって不利益な状況が続くなら転職できるため、声を上げやすくなっています。そしてそのような事情で退職した場合、その情報は外国人同士のコミュニティですぐに共有されますのでそのあとの採用活動にもマイナスの影響が出ます。ですから、法令違反状態を続けながら特定技能外国人を雇用するということは事実上難しくなります。

ということで、特定技能外国人を採用することで、
1.就業規則に沿った労務管理が求められるため労働条件などの透明化が図られる
2.転職を防ぐために(またそもそも入社してもらうために)魅力ある労働環境の維持(提示)が求められる
という2点の理由により外国人社員・日本人社員双方にとって働きやすい職場になっていく、つまり自然にホワイト化が図られるのではないかと予想しています。次回のコラムでは、”転職可”の制度がもたらすもう一つの副次的な効果もお伝えしたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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