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「特定技能」の許可人数が少ない理由は?~その2

 前回のコラムでは特定技能外国人として採用された方が当初の見込みより少ない理由、特に現在海外に住む外国人の採用が伸びていない理由をお伝えしました。今回は国内在住の外国人の採用が進んでいない背景についてお伝えしたいと思います。

■新在留資格「特定技能」の許可人数が少ない理由は?(パート2)

 特定技能外国人の採用人数が伸びていない理由については、採用ルートごとに分析する必要があることを前回お伝えしました。特定技能外国人の採用ルートは以下の4つとなります。今日は下記3のルートの人材が少ない背景をお伝えします。

1.海外に住む元技能実習生
2.海外に住む技能試験と日本語試験に合格した方
3.国内に住む現技能実習生
4.国内に住む技能試験と日本語試験に合格した方

 3の人材は、最も期待される(上記4つの中で最も割合が多くなると見込まれている)採用ルートといえます。このルートからの採用が思った以上に伸びていない理由はたくさんあり新聞等でもよく報道されていますが、当事務所ならではの視点として以下の2つの背景をお伝えしたいと思います。

 一つ目の理由は、現在技能実習生を(厳密には実習生を受け入れる企業を)監理している監理団体の多くが特定技能外国人をどのように支援するかのビジネスモデルをまだ構築できていないという点を挙げることができます。監理団体のビジネスモデルは、3年間や5年間事実上転職できない実習生の監理費として、受け入れ企業から毎月数万円(2万円~5万円ほど)徴収するというものですが、特定技能に移行するとその外国人は転職可となり、これまでとは異なるビジネスモデルが求められます。そのため、積極的に特定技能を推進する(実習生受け入れ企業に特定技能を勧める)監理団体が少ないという背景があります。現在実習生を雇用している企業は監理団体と歩調を合わせる傾向があるため、結果的にこのルートでの特定技能外国人の採用が進んでいないという構図です。しかし、当事務所の顧問先や取引先の中にはすでに特定技能外国人の紹介の準備を進めている監理団体もあり、全国的にもその傾向はありますので、今後少しづつですがこのルートでの採用は増えてくると予想しています。

 もう一つの背景は実習生自身がどのように考えているか、という点を挙げることができます。現在日本で仕事をしている実習生の中で昨年から今年にかけて3年や5年の実習を修了する皆さんは、自分たちが入国した数年前の時点では特定技能の制度など検討もされていませんでした。ですから、そもそもの人生プランに特定技能へ移行して引き続き日本で働くという考えがなかった方がほとんどです。急に「特定技能ができたから引き続きどうぞ」と言われても、母国にいる家族や自分のキャリアを考えたときにそんな簡単に決めることはできないという事情があります。逆に、今後実習生として来日する皆さんは、実習期間修了後(特定技能の14分野に限られますが)に特定技能で残るという選択肢を持って日本に来ることなりますので、今後はこのルートでの採用が進んでいくと思われます。

 今日は上記3の採用ルートの人材が伸びていない理由について見てきました。これから技能実習生の受け入れを考えておられる企業でかつ実習修了後の特定技能への移行を検討しておられる企業の担当者様におかれましてはどのような監理団体を選べばいいのか、またはどんな人材を募集(確保)している送り出し機関(と提携している監理団体)を選べばいいのかの参考にしていただけるかと思います。次回のコラムでは日本国内の試験合格組の採用人数が少ない背景についてお伝えしたいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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